2011年6月22日水曜日

核燃料6400本の共用プール付近から光と白煙が見える

福島第一原発では深夜になると原子炉が一斉に白煙を噴きはじめます。ところが6月19日は4号機の右側から白煙が出ていました。早速、白煙の位置を調べてみると、6400本もの核燃料が保管されている共用プールがありました。共用プールのプラントパラメーターは公開されておらず正常に機能しているか疑わしいです。


注)ロゴが入っている画像はトリミング、URL記入、画質調整、などで加工してあります。
オリジナル画像はURLからご入手ください。


参考)梅の間掲示板様の情報を利用しています。


共用プール付近で光と白煙が見える
2011.06.19 02:00-03:00 / 福島原発ライブカメラ (Live Fukushima Nuclear Plant Cam)


5秒頃
4号機の右側、山の裏側で光と白煙が見える
2011.06.19 02:00-03:00 / 福島原発ライブカメラ
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=Ati6ri0FkgQ#at=50

25秒頃の映像
4号機の右手の山の裏から海へ流れる白煙が見える
2011.06.19 02:00-03:00 / 福島原発ライブカメラ
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=Ati6ri0FkgQ#at=50

1分35秒頃の映像
白煙が出ている場所が数回光る
2011.06.19 02:00-03:00 / 福島原発ライブカメラ
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=Ati6ri0FkgQ#at=50

場所を特定するために主要な建物にマークを付けます。
黄色い矢印が白煙が出ている場所です。
2011.06.19 02:00-03:00 / 福島原発ライブカメラ
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=Ati6ri0FkgQ#at=50

この付近の航空写真を参考にしながら同様にマークを付けます
山の裏側には共用プールがある(黄色い矢印)。この写真で見る限り建屋の損傷は軽微だ。

マップを見ると白煙の位置は共用プールのようです。
出典 東京電力



共用プールとは何でしょうか?

早速、共用プールについて検索してみると6400本もの核燃料が保管されていることが判りました。

参考
使用済み燃料、共用プールにあと6400本

東京電力福島第一原発には、6基ある原子炉建屋の使用済み燃料プールとは別に、約6400本もの使用済み燃料を貯蔵した共用プールがあり、津波で冷却装置が故障したまま、水温や水位の変化を把握できなくなっていることが、17日わかった。
すでに数年以上かけて冷却されているため、ただちに爆発する危険は少ないとみられるが、政府と東電でつくる福島原発事故対策統合本部は、共用プールへの対応も迫られている。

共用プールは、4号機の西約50メートルの建物内にあり、縦29メートル、横12メートル、深さ11メートル。使用済み燃料を6840本収容できる。現在、1~6号機の原子炉建屋のプールに保管されている燃料集合体の1・4倍にあたる6375本が貯蔵されている。

東電によると、10日までは水温が30度に保たれていたが、11日の地震後、水温や水位も測定できなくなった。プールへの給水は自動的に行われているとみられるが、その水から熱をとるための冷却システムは故障しており、十分な冷却はできていないとみられる。爆発事故を起こした3号機、4号機に近いため周囲の放射線量が多く、状況を把握できていないという。

(2011年3月18日07時22分  読売新聞)


福島第一原発の共用プール
出典 Visual Tour of Fukushima Daiichi


共用プールには6400本の核燃料がある
出典 Visual Tour of Fukushima Daiichi

 
共用プールの核燃料も一部損傷か?
共用プールの水の分析結果。
事故後は事故前に検出されなかったセシウムが検出された。
出典 東京電力


コメント

福島第一原発では深夜になると原子炉が一斉に白煙を噴きはじめる。ところが6月19日は4号機の右側から白煙が出ており、光も見えた。早速、白煙の位置を調べてみると、そこには6400本もの核燃料が保管されている共用プールがあった。
白煙と閃光が共用プールにある6400本の核燃料に由来するものであれば由々しき事態だ。報道によれば、津波で共用プールの冷却装置が故障し、水温や水位の変化を把握できなくなったという。その後も4月17日に電気系統がショートし冷却装置の電源が止まる事故があった。

参考
冷却停止の原因は誤操作 福島第1原発共用プール
2011.4.18 21:43 産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110418/fks11041823180011-n1.htm

東京電力による共用プールの水の分析結果では放射性セシウムが検出されており保管されている核燃料の一部が損傷した可能性が否定できない。

共用プールのプラントパラメーターは公開されておらず正常に機能しているか疑わしい。6400本の核燃料がメルトダウンを始めたら止めようがない。


7 件のコメント:

  1. いつも的確な分析と推測をありがとうございます。

    四号機の右側の敷地内の施設が何であるかを資料から調べていただきまして、
    本当に良い参考になりました。

    貴ブログのこの「共有プール」の記事については、You-Tubeで
    閲覧数の多そうな下記の動画のコメント欄に、
    こちらで書き込んでおきました。

    http://www.youtube.com/watch?v=C3_s0i_3O5o


    ●なお、こうしたいろいろな「疑念」については、
    記者会見に出席されいるジャーナリストの方に、そちらからコンタクトを取られてみて、
    記者会見で東電に質問を突きつけさせる、
    というのが最も良いと思います。

    以下は、東電の記者会見でずっと質問をしているフリーの二人の記者です。
    うまくコンタクトできればいいのですが。

    木野さん
    http://twitter.com/#!/kinoryuichi

    岩上さん
    http://iwakamiyasumi.com/

    敬具

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  2. 共用プールの位置を知りたかったのですが、4号機から結構離れているので安心しました。いやいや、安心しちゃダメですね。

    共用プールの温度は、プランとパラメータのなかの4号機の下の方に書いてあります。32℃くらいです。

    わたし的には、新品の核燃料の在処が気になり出しています。
    4号機の定期検査では、燃料集合体140本を交換予定なのですが、何処にあるのか無いのかの情報を見つけていません。トヨタじゃないから、ジャストインタイムでもないと思うのですよねぇ

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  3. いわた・きよし(岩田清)です。11日以降、ふくいちカメラの映像を、情報解析可視化処理技術の開拓者としての40年の知見を活かしてチェックしています。数日前からは、夜間だけでなく、昼間でも異常な状態が見受けられる用になりましたので、自然の雲・霧と、放射能物質を含んだ、蒸気(湯気)・煙・爆発・閃光についてツィートしましたら、大変な反響です。このブログで、イマイチだった地理的状況が明快になりました。これから、この事をツィートさせて貰います。

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  4. はじめまして!
    まず、大前提としてこれらの深夜の動画には
    2つの誤解があります。

    カウンター表示をみれば一目瞭然なのですが
    1)深夜(気温の低い時間)である。
    2)1時間を3分に縮めてある。
    と、言う事です。

    この事での誤解は
    1)出ている量は確かに多いが、一瞬のうちに蒸気が吹き出てる訳ではない
    2)蒸気は気温が低い時間なので建屋近辺に留まる。
     ※風が吹くか気温があがると蒸気は消えます。
    3)一瞬ピカッと光るのは、実はしばらく光っている。
     ※蒸気が濃くなった部分がライトアップしている光を
      より多く反射している現象。

    以上を考慮して再考し、分析して頂きたいと思います。

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  5. 記事にさせて頂きました。
    ありがとうございます。
    http://george743.blog39.fc2.com/blog-entry-540.html

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  6. 深夜に水蒸気による白煙が出ていますが、どんな作業を
    しているかの推察がないので、識者の見解を知りたい。
    当て推量ですが、空気を吹き込んで蒸発を促進して、水温を低下させているのではないかと。

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  7. >※蒸気が濃くなった部分がライトアップしている光をより多く反射している現象。

    というコメントがありますが、それだけでは説明はつきません。
    下記の「ロングバージョン」の記録を参考までに。


    ■2011.07.08 01:00-02:00 / ふくいちライブカメラの二種類の記録。


    ■1時間を3分にしたもの。

    2:47のポイントからの光

    http://www.youtube.com/watch?v=wFe09GQdDck


    ■全く同じ動画で、1時間を15分にしたもの。

    14:00のポイントから光

    http://www.youtube.com/watch?v=UEAJVcNjImA


    結論

    この画像よりも、もっと濃霧の濃いときに、
    照明らしきものは反射していないことも多い。

    また仮に前述の二番目の動画を四倍にして、
    「実速」として見たとしても、
    さして、長い秒数は「持続的には」発光していません。

    つまり、持続的な発光をする照明類の光が霧に反射して作り出したもの、というよりは、
    むしろ、発光または、作業中の「照明の光が角度」を変えている、
    すなわち、
    この深夜の時間帯に「少なくとも何かの作業をしている」ということになる。

    しかし、東電の松本氏は、この時間帯の深夜の作業を「していない。」と会見で否定している。

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