2011年5月15日日曜日

拡大する汚染、肉と魚はヨウ素131を検査せず流通

福島県の農産物は県外では全く売れないそうです。
これを風評被害と呼ぶ人がいますが、これは実害です。

JAグループ代理人弁護士のコメントが5月13日付の朝日新聞朝刊に掲載されました。
「福島近県の農産物が売れないのは風評ではなく実害です。これは健全な消費者の健全な判断です。」

 母親が食べる食品は胎児や母乳に影響します。食品暫定基準が設けられましたが妊婦、授乳婦、妊娠可能な女性はこの基準では危険です。汚染地域の食品を食べてはいけません。

それから、肉と魚は放射性ヨウ素の暫定基準が無いようです
嘘だろうと思う方は下記のページにある検査結果をいくつか読んでください(後述)。

参考 食品中の放射性物質の検査結果(厚生労働省報道発表資料)
http://www.maff.go.jp/noutiku_eikyo/mhlw3.html



3月12日、福島第一原発1号機が爆発した時、「直ちに健康に影響ない」と繰り返し報道されました。しかし3月20日、放射能に汚染された食品が流通していることが判りました。
出典 厚生労働省
東京都では国の暫定基準を超える4300Bq/Kgもの放射性ヨウ素を含んだ農産物が流通していました。多くの都民が放射性ヨウ素による被ばくを受けたと思われます。


放射性ヨウ素は甲状腺がんの原因です
出典 東京電力
小さな子供は放射性ヨウ素による影響を受けやすく甲状腺がんのリスクが高まる


広範囲で放射性ヨウ素131による甲状腺被ばくが起きています。被ばくを回避するための情報公開が無かったからです。
出典 文部科学省
子供たちの甲状腺被ばくは回避可能でしたが、情報公開が無いまま、多くの子供たちが被ばくしました。グリーンの地域では10~20mSvの甲状腺被ばくを受けています

福島県、茨城県、千葉県の子供たちは放射性ヨウ素131による被ばくを受けており、甲状腺がんのリスクがあります。

この資料は平成23年3月25日0時現在の推計であるが、5月半ばに文部科学省のHPにひっそりと公開された。
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/05/10/1305799_0325.pdf


これは放射性ヨウ素131による汚染図です。
出典 文部科学省 放射性ヨウ素131の表面沈着量積算値
すでに広大な面積が放射性物質による汚染を受けています。この図は放射性ヨウ素のみによる汚染を表していますが、この他、ウラン、プルトニウム、ストロンチウム、セシウム、アメリシウム、キュリウムなど様々な放射性物質(放射能)によって汚染されています。
福島県では100万~1000万Bq/㎡(黄色)という高濃度の汚染が広がっており、茨城県では全域で10万~100万Bq/㎡(緑色)という高いレベルで汚染されています。東京都や神奈川県でも半分の地域が10万~100万Bq/㎡(緑色)の汚染を受けています。

これらの地域では放射能による土壌汚染により野菜や牛乳などの農産物が汚染されています。


福島県では野菜が放射能に汚染されました。
1つ質問です。
野菜が汚染されているのに妊婦の胎内や母乳、子供の体は汚染されないのでしょうか?



福島県の牛乳も汚染されました。
2つめの質問です。
牛乳が汚染されても母乳や胎内の赤ちゃん、子供の体は汚染されていないのでしょうか?  



埼玉県の野菜でも暫定基準を下回ったからと言って安心して食べられる数値ではありません。埼玉では放射性ヨウ素1900Bq/Kgのホウレンソウが流通しています。
2000Bq/Kgは出荷制限だが1900Bq/Kgなら流通する。)
3つめの質問です。
放射性ヨウ素の乳児基準は100Bq/Kg未満ですが、母親が1900Bq/Kgのホウレンソウを食べ続けた場合、母乳や胎内の赤ちゃんへの影響は無いのでしょうか?



5月になりましたが汚染は続いており、福島県のタケノコからは半減期が30数年という毒性の強い放射性セシウムが検出されています。
4つめの質問です
放射能のため、収穫された農産物の摂取が禁止されるような地域に居住可能でしょうか?



5月12日の検査でも半減期の短い放射性ヨウ素が検出されており、今でも放射能の放出が続いています。汚染は新潟県まで広がってきました。
5つめの質問です
原発からの放射能放出は終わりましたか?
(これは専門的なので答えを申し上げます)
放射能の放出は終わっていません。


 汚染は静岡にも広がりつつあり、静岡のお茶から放射性ヨウ素131が検出されました。ヨウ素131は放射能の放出が続いており、汚染が拡大しつつあることを裏付けています。

福島の淡水魚から高濃度の放射性セシウム
(テレ朝05/14)
淡水魚からも初めて国の基準値を上回る放射性セシウムが検出されました。福島県いわき市の鮫川でアユから、そして、福島第一原発から約90キロ離れた北塩原村にある桧原湖のワカサギからも検出されました。桧原湖で今月10日に取れたワカサギからは870ベクレル/kg、鮫川で今月8日に取れたアユからは720ベクレル/kgの放射性セシウムが検出されました。
このような地域の水が飲めますか?
住民の体に放射性物質が蓄積していませんか? 
子供や妊婦が住んでも大丈夫でしょうか?


最後の質問です

Q:暫定基準値があれば放射能に汚染された食品が流通しないと報道されていますが信用できますか?
A:信用できません。そもそも放射性ヨウ素が測定されていない場合があります。放射性ヨウ素に汚染された魚と肉が流通した可能性があります。
茨城県では
「魚介類は放射性ヨウ素の暫定規制値が無い」(赤枠内)

「食肉は放射性ヨウ素の規制値が無い」(赤枠内)


肉類、根菜、芋類は放射性ヨウ素検査の対象外
出典 食品安全委員会
暫定基準の妥当性にも議論があり
妊婦や授乳婦、妊娠可能な女性に対する基準が無い


コメント

検出される放射性物質の量は減少傾向にあると言われているが、実際には放射性物質が検出される地域が広がっており、神奈川や静岡のお茶、岩手の牧草からも検出されている。汚染は縮小せず逆に拡大している。

福島の農産物が売れなくなっている。これを風評と呼ぶ人がいるが風評とは根も葉もない噂のことである。これは実害である。

静岡のお茶からも半減期の短い放射性ヨウ素が今も検出されており、原発事故が起きてから2カ月たっても原発から放射能が放出され続けていることが判る。

野菜や牛乳、水道水、お茶、淡水魚と汚染が拡大しているわけだから自分や子供たちの体内も汚染されたと考えるべきだろう。

今、福島第一原発からの放射性ヨウ素の排出が続いており、放射性ヨウ素による小児の甲状腺がん発症が最も懸念されている。しかし、福島県と茨城県は放射性ヨウ素に対する十分な監視を行っておらず高濃度の放射性ヨウ素を含む魚介類や肉類が流通する可能性がある。

原発事故被災地の安全を担う最後の砦である食品検査は穴がある。原発事故の終息にはほど遠い状況なので子供と妊婦だけでも早々に疎開させた方が良い。

福島県の伊達市では一時避難を望む住民に支援を始めたようだ。

参考
50世帯150人、伊達市が独自に避難支援 KFB福島放送 2011年5月15日







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