2011年4月30日土曜日

4号機使用済核燃料プールは壊れて水が漏れている

4月28日、東電は4号機プールに水漏れの可能性は低いと発表したが、
4号機の使用済核燃料プールは壊れている


フロアに広がる4号機の核燃料汚水
3月20日の放射温度写真では4号機のフロアに熱源(黄色い枠の中)が広がっており、核燃料を含んだ高温の汚水がフロアの広い範囲に存在するように見える(防衛省撮影)。3月20日の時点で4号機の使用済核燃料プールは壊れていたようだ。


10万倍の放射線が計測されていた

東京電力は4月13日、福島第1原発4号機で、使用済み核燃料プールの水温が90度まで上昇していると発表した。付近の放射線量も毎時84ミリシーベルトと極めて高い。通常は普段着で歩くことができる同0・0001ミリシーベルトという。今月12日に燃料棒の損傷度を調べるためプールの水を遠隔操作で採取した結果、水温が爆発前日の84度を上回る90度と判明。プールの約6メートル上空で通常の10万倍以上の放射線量が計測されている。

東日本大震災:福島第1原発事故 4号機プール異常高温 汚染水対策、注水増やせず
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110413dde001040011000c.html


4号機使用済核燃料プール付近の映像
壁に開いた大きな穴から緑色のクレーン(黄色い矢印)が見え、その下にプールがある。

上記クレーン部分の拡大写真
緑色のクレーンの下にある使用済核燃料プールから水蒸気が出ている(黄色い矢印)。

1日の推定蒸発量約70トン

東京電力は4月26日、福島第1原発4号機の使用済核燃料プールの水が漏れている可能性があると発表しました。

東電によると、プールには、使用済み核燃料集合体が1~3号機より多い1331体入っています。

水漏れの根拠として1日の推定蒸発量約70トンに対し、コンクリート圧送車での放水が、24日165トン、25日210トン、26日160トン。それでも水量が想定より12~48トン少ないそうです。

また、4号機では今月、原子炉建屋の地下が深さ約5メートルの汚染水でほぼ水没しているのが見つかったほか、タービン建屋地下にたまった汚染水の放射性物質の濃度が1カ月で約250倍上昇していることも水漏れの存在を示唆しています。

参考
東日本大震災:福島第1原発事故 4号機プール水漏れか 水位上昇不十分
毎日新聞2011年4月27日
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110427ddm003040079000c.html


注水で水が漏れる核燃料プール
左は2011年4月12日、右は2011年4月20日に撮影した福島第一原発4号機の使用済核燃料プール付近の写真。4月12日の写真にはプール付近から流れる水の跡が写っている。4月20日の写真では別の破損個所からも水が流出しており水漏れが拡大しているように見える。


注入した大量の水は何処へ消えた?
これは事故が起きた3月15日の翌日、3月16日に撮影された4号機プール付近の写真です。当時の写真では流出する水の跡は目立ちません。東電は4号機使用済核燃料プールの1日の推定蒸発量は約70トンと発表していますから、ここに保管されている核燃料の持つエネルギーがいかに大きいか判ります。

このプールに入っている燃料棒は、ジルコニウムの合金でできたパイプの中に約1センチのウランを焼き固めた燃料「ペレット」が数百個入っています。ちなみにペレット1個分のエネルギー量は、一般家庭の消費電力の約8か月分にもなるそうです。プールにあった大量の水は蒸発したのでしょうか?


4月12日に撮影された4号機のプール
水が混濁しており核燃料が見えない

4月28日に撮影された4号機のプール
大量の注水で水が透明になりプールの底にある核燃料が見えるようになった。


東電は「漏水の可能性ない」と発表したが

4月28日、東京電力は「漏水の可能性はないと発表しました」。プールへの放水を続け、27日午後3時過ぎに満水になった後、20時間で水位が35センチ下がった。プール内の核燃料から出る熱で水が蒸発し、減ると予想された範囲に収まったという。


放射温度写真では漏水が見える
防衛省が4月12日に撮影した放射温度写真では建屋外に流出する熱源が写っている(赤い矢印)。フロア内に広がる熱源も見える(黄色い枠内)。使用済核燃料プールの水はタービン建屋側に流出しているように見える。


4号機の水漏れを疑うT-Hawk映像 
放射温度写真ではタービン建屋側に水漏れを疑う箇所がありました。T-Hawkが4月21日に撮影した映像でも、タービン建屋側の壁に開いた穴から水が流れているように見えます(黄色い矢印の先にある黒い部分)。

コメント

4号機の使用済核燃料プールは、膨大な熱と放射線を発し、プールの水が大量に蒸発したためプールの水深が上昇しないと報道されている。今回は大量の注水で核燃料を冷却し、再臨界の危機を乗り切ったようだ。前回の検査では混濁していたプールの水が透明になったようだ。しかし、24日は66度だった水温が、29日は88度に上昇しており予断を許さない状況が続く。4月20日に撮影された4号機の写真では壁面を流れる水の量が増えており、再臨界を防ぐためにプールへの注水を増やすと、放射性物質に汚染された水があふれるというジレンマに直面しているようだ。

4月28日、東京電力はプールからの水の漏出は無いと発表したが公開された静止画、動画、放射温度写真には水の漏出が写っている。

また、4号機建屋には「筋交い」が無く大量の注水により自重で崩壊する可能性がある。

東京電力は原発作業員の安全を守れるのだろうか?

参考

使用済核燃料プールの危機
http://phnetwork.blogspot.com/2011/04/blog-post_23.html

4号機使用済核燃料プール付近から水漏れ
http://phnetwork.blogspot.com/2011/04/blog-post_5370.html

4号機の使用済核燃料プールは無事なのか
http://phnetwork.blogspot.com/2011/04/blog-post_862.html

【原発】4号機の使用済み燃料「大きな損傷なし」(テレビ朝日4月30日)
設計図流出!大破した原子炉建屋に筋交いが無かった

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