2011年4月29日金曜日

文部科学省「子供の被ばくを米原発作業員並みに設定」

文部科学省は子供の被ばく上限を米国の原発作業員並み20mSVに設定しました

原発事故の処理に打つ手無しの模様

文部科学省は子供の1年間の許容被ばく線量を「20ミリシーベルト」に設定しました。
学校の放射線量、暫定基準を公表 文科省(朝日新聞4月20日)

 ノーベル賞も受賞した国際的な医師の団体がワシントンで会見し、文部科学省が子供の1年間の許容被ばく線量の目安を「20ミリシーベルト」に設定したことに疑問を呈しました

 ヘルファンド博士は、「子供の場合、がんになるリスクが成人よりも2倍から3倍高くなる」と指摘して、許容される被ばく線量の基準を引き下げるよう求めました

アメリカでは、原子力関連施設で働く人の1年間の許容量の平均的な上限が年間20ミリシーベルトとされています。

テレ朝
【原発】「子供の許容被ばく線量高すぎる」と疑問
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210427018.html



厚労省「原発労働者の被ばく上限を白血病やがんの危険が高まる250mSVに設定」

【東京消防庁】福島原発 アラーム鳴りっ放しの中で命がけの放水。

厚労省は「100mSVを超えると白血病やがんの発生リスクが高まる」と認めつつ、原発作業員の被ばく線量上限を250mSVに引き上げました。

厚生労働省は、通常時は年間50ミリシーベルトと定めている原発作業員の被ばく線量の上限を当面の間、撤廃する方針を固めたそうです。既に厚労省は3月15日に省令で、福島の事故の応急対策に限定して被ばく線量を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げていました。

一方、厚労省は「100ミリシーベルトを超えると白血病やがんの発生リスクが高まるという医学的な知見もある」として、5年間で100ミリシーベルトの基準は維持することにしたそうです。

だったら上限は「100mSV(ミリシーベルト)」にすべきです!

参考
東京新聞2011年4月28日
年50ミリシーベルト上限撤廃へ 厚労省が特例措
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011042701001119.html


被ばく線量を記録せず 東電
福島50:日本の英雄達への涙と祈り (ABCニュース)


東電、被ばく線量記録せず 後から行動聞き取り推計

 東電によると、屋外の現場作業などをする場合は線量計を持参し、被ばく線量を毎日、台帳などに記録して管理している。だが、免震重要棟内では時間当たりの放射線量を記録していただけで、線量計を身につけていなかったという。
 棟内では事故後、高い線量が続き、水素爆発などが起きた直後には、毎時100マイクロシーベルト(0・1ミリシーベルト)を超えたこともあったという。4月26日現在の線量は毎時1・5~3マイクロシーベルト。
これでは被ばく上限を設定しても意味がありません。

参考
共同通信2011年4月28日

東電の女性社員は5mSVまでよ!

女性社員は、事故発生から消防車の給油作業などにあたっていましたが、これまでの総被ばく量が17.55ミリシーベルトに達しました。これは、女性作業員の限度量となっている3カ月で5ミリシーベルトを大きく上回ります。東京電力によると、女性の健康に影響はないということです。

テレ朝
【原発】東電の女性社員が限度量を超える被ばく
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210427016.html


今、民間人の被ばく限度量は1mSVですが
これも引き上げられる模様です。

しかし、こんな報道がありました。

年間の被曝限度量、引き上げを検討 原子力安全委

原子力安全委員会は5日、放射線量の高い地域の住民の年間被曝(ひばく)限度量について、現在の1ミリシーベルトから20ミリシーベルトに引き上げるべきか検討を始めた。放射線の放出が長引き、「長く生活する観点で考えないといけない」とし、現実路線への見直しを検討する。
 会見した代谷誠治委員は「防災対策での退避は通常、短期間を想定している」と指摘。すでに数週間に及ぶ退避や避難の考え方について、政府から見直しを検討するよう相談されていることを明らかにした。 

朝日新聞2011年4月5日
http://www.asahi.com/health/news/TKY201104050616.html


コメント

文部科学省が先日発表した日本の子供たちの被ばく限度量が米国の原発作業員並みだったことには驚いた。これまでの1ミリシーベルトから20ミリシーベルトに引き上げた根拠をきちんと示してほしい。被ばく限度量を引き上げる前に、やるべきことがある。それは放射能汚染を止めることである。
被ばく限度量を引き上げるということは福島第一原子力発電所で起きた原子力事故の収束をあきらめているように見える。



もはや収束に向けて打つ手がないのか
原発事故による放射能汚染の拡大が終息せず、
「ただちに健康に影響がない」と発表するためには「被ばく限度量を引き上げる」以外の選択肢が無くなったもようです。

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